こんにちは!今回は、子どもが愛用していた救急車のおもちゃが突然音を出さなくなった事件をきっかけに、
「どうせなら中身を見てみよう」という好奇心から始まった修理チャレンジの記録です。
普段は電子工作にあまり触れたことがない方でも、ちょっとしたトラブル対応の流れや考え方の参考になれば嬉しいです。
症状:音が鳴らない、でもLEDは光っていた?
最初に気づいたのは、「ボタンを押しても音が出ない」ということ。
子どもがよく遊んでいた救急車のおもちゃは、通常ボタンを押すと「ピーポー」や「サイレン音」が鳴る構造になっていました。
見た目には大きな損傷もなく、LEDが点灯していたかどうかもはっきりしない状態。
電池を交換しても無反応だったため、内部に何かしら問題があると判断しました。
分解してみると、なんか基板が熱い!
さっそく分解してみると、電池を入れてしばらくした基板が異様に熱くなっていることに気づきました。
指で触ると「あつっ!」となるレベル。これは明らかに異常です。
調べていくと、「4R7」と刻印されたセラミックコンデンサが2つ、導通テストで0Ω=ショート状態に。
ためしにこれらのコンデンサを外してみると、なんと発熱は完全に止まりました!
でも音は鳴らないまま…
発熱は止まったものの、依然として音が鳴らない問題は解決せず。
次に目をつけたのがスピーカーとその周辺の回路です。
もしかしてスピーカーが壊れている?配線が切れてる?いろんな可能性を考えながら、テスターを片手にさらに深掘りしていきました。
黒ポッチIC(COB)とQ1という謎のトランジスタ
基板の中央には、いわゆる「黒ポッチIC(COB)」がありました。
おそらく音声データなどを内蔵しているチップで、周辺にはスピーカーとLED、ボタンが配置されています。
その中で怪しいのが「Q1」と刻印された3ピンのトランジスタ。
テスターで確認すると、なんと3ピンすべてがショート状態!これはもう明らかに故障と判断し、取り外しました。
スピーカーとトランジスタの再接続を試みる
Q1の代替として選んだのは、ROHM製のデジタルトランジスタ「DTD123Y」。
ベース抵抗が内蔵されており、扱いやすく初心者にもおすすめな部品です。
トランジスタのコレクタをスピーカーの一端に、スピーカーのもう一端を電池のプラス端子につなぐよう、ジャンパー線で再配線。
エミッタは電池のマイナスに接続し、いざ電源ON!
テスターで確認:出力は…ある!
ボタンを押しても音は鳴らない…。しかし、スピーカーの両端にテスターを当てると、なんとDCで約70mVの電圧が確認できました!
これはつまり、ICやトランジスタは少なくとも何らかの出力をしているということ。
期待を込めて、AC電圧モードでも確認しましたが…結果は0mV。音声の波形は出ていないようです。
最終結論:ICの音声出力部分が死んでるっぽい…
ボタンに反応してLEDが光るような動きはなく、ICの出力と思っていた動作も実はテスターを当てた際の電流によるものだったと判明。
どうやらICは完全に沈黙しており、音声出力を制御する回路が故障してしまっているようです。
原因として考えられるのは、最初のショートコンデンサやトランジスタによる過電流。
IC内部が破損してしまったのかもしれません。
最後は潔く…「ありがとう、おもちゃ」
ここまで試行錯誤を繰り返して原因を追い詰めましたが、残念ながら今回は修理不可能と判断しました。
でも分解して原因を探し、実際にパーツを交換してテストする過程は本当に楽しく、学びも多かったです。
修理に失敗しても、「なぜダメだったか」が分かったことに大きな価値があると感じました。
まとめ:修理って奥が深い!けど、やってよかった!
今回の気づきや教訓
- 壊れた原因を一つずつ潰していくと、技術も理解も深まる
- トランジスタやコンデンサは意外と壊れやすい
- ICは一見無事でも中身が死んでることがある
- テスターの使い方が上達すると観察力も上がる
新しいおもちゃは購入予定ですが、この「直らなかった修理」も大切な思い出になりました。
もしあなたの家にも壊れたおもちゃが眠っていたら、ぜひ一度分解してみるのをおすすめします!
おまけ:今回使った部品リスト
- セラミックコンデンサ 4.7µF(10V以上)
- デジタルトランジスタ DTD123YKT146(ローム製)
- ジャンパー線、テスター、ハンダごて
最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回は「LEDピカピカ改造おもちゃ」編にも挑戦してみたいと思っています。お楽しみに!
0 件のコメント:
コメントを投稿